努力を最小限にし、最適化させる「戦略」について

目的を達成するためには、努力をして自分の実力を向上させる必要がある。

それと同じように重要なのが、努力を最適化し、最小限化する戦略である。

 

努力と実力向上

何らかの目的を達成するには、その目的を達成するために必要な実力を得る必要がある。そのためには、努力が必要である。

試験に受かるためには勉強する必要があるし、スポーツの大会で勝つには練習する必要がある。

 

相対的な実力と絶対的な実力

努力をすることで、実力が高まり、実力が目的達成に必要なレベルを超えると、目的が達成できる。

目的達成に必要なレベルは、絶対的なものと相対的なものがある。

絶対的なレベルとは、人と比べる必要のない目的を達成のためのレベルである。たとえば、逆上がりができるようになるという目的を達成するためには、ただ逆上がりができるレベルになればいいのであり、人と比べる必要はない。

相対的なレベルとは、人に勝つ必要のある目的を達成するためのレベルである。たとえば、マラソンで一位になるとかである。これは、他の人と比べて、相対的にレベルが上である必要がある。

 

競争の激化

このように、目的達成とそのレベルには二種類あるのだが、相対的なレベルの向上が必要な場合、他人との競争が激化する。

受験はその最たる例だろう。

みんながその競争をしているなかで、人より抜きん出ないといけない。参加する人が増えれば増えるほど、競争は激化し、そのなかで勝つことは難しくなる。

そこで、戦略が必要になる。

 

戦略の必要性

努力と戦略の違い

努力は実力を高めるための訓練のようなものである。

そして、戦略は、努力を最適化するための手法である。

宝石採掘に例えるとわかりやすい。

努力とは、掘ると決めた場所を、ひたすら掘り続けることである。掘らないことには、宝石に行き当たるはずがない。そのため、努力は必要不可欠である。

だが、あまりにも競争の激しい鉱山や、他の人に取り尽くされているところを掘り続けても意味がない。過去、宝石が取れたところはどこか、宝石が取れやすい条件は何か、どれくらいの幅で掘るのがいいのか、といったことを考える必要がある。これが戦略である。

戦略の目的

戦略の目的は、目的達成を効率化するために、努力を最適化することだ。

その最適化は、次の二つの方法によって行われる。まず、競争の回避、そして、回避しきれない競争に勝つことである。

まず、第一に、競争を回避するべきだ。

競争が完全に回避できれば、目的達成に必要なレベルは、他人に左右されず、絶対的なものになる。そうすれば、ある一定の努力をすれば、確実に目的達成することができる。これが、戦略の第一の目的である。

第二に、回避した先の勝負に勝つ必要がある。

完全に競争を避けられないならば、その競争に勝つ必要がある。そのための、手法を考えることが、戦略のもう一つの目的だ。

 

具体的な戦略

では、競争を回避し、その上で競争に勝つための戦略とは何か?

1、フィールドをずらす

まず、第一に競争を避けるために、フィールドをずらすことが効果的だ。

競争人口の少ないフィールドに行けば、競争は避けられる。もし、誰もやっていないフィールドを開拓し、さらに、そこで目的が達成できるなら、競争はゼロになる。

例えば、漫画家になりたいとする。漫画家になりたい人は大勢いる。何かの賞に応募しても、競争は激しいだろう。であれば、SNSや動画として漫画を発信すれば、賞に応募するという競争よりは、少ない競争で済むだろう。

重要なのは、あくまでも目的を達成することを最重要とし、その達成の手段に柔軟性を持たせることである。漫画家になりたい人にとって、賞をとることは目的ではなく、手段だろう。目的は、自分の漫画が多くの人に読まれ、売れることなはずだ。であれば、その目的の範囲内で、手段をずらし、競争相手の少ないフィールドに行くことは有効だ。

2、掛け合わせる

第二に、競争を避けることにも、避けた上での競争に勝つためにも、掛け合わせることは有効だ。

先ほどの漫画家の例で言えば、漫画を動画化するためには、動画編集の技術が必要だろう。この二つの技術を掛け合わせることで、より少ないフィールドで、より有効に戦える。

この掛け合わせることは、一つ一つの実力がまだ足りない場合にも有効だ。それぞれ技術が高い人がたくさんいたとしても、その二つがある程度のレベルである人は少ないかもしれない。

3、非本質にこだわる

第三に、そのフィールドの本質的な実力でない、非本質にこだわることも有効だ。

これは、掛け合わせることとも似ているが、たとえば、味はそこまでではないレストランが、演出にこだわることがこれにあたるだろう。

大体の場合、ある一定の実力から、さらに上の実力に行くためには、かなりの努力が必要である。であれば、いくつかの他の要素の実力を上げることのほうが、より楽に全体の実力が上がることになる。

たとえば、スマホにおいて、本体の機能を上げることは、すでに頭打ち感があり難しい。であれば、デザインや包装、サポート体制の方を向上させた方が、楽であり、全体の満足度は上がるかもしれない。

 

まとめ

なるべくなら、競争は避けた方がいい。するにしても、小規模な競争がいい。

そのために戦術がある。

もちろん、ある程度、本質的な実力は必要だ。それがないと、「小手先の技術」、「見掛け倒し」になる。だが、見掛け倒しでも、まずは小さな目的を達成しながら、実力をつけていくこともできるだろう。