感情を煽るSNSの政治的メリット

SNSが感情的に煽動するという懸念もあるが、むしろ、それが投票などの政治参加を促して、メリットになるのではないか。

SNSの特徴

SNSの顕著な特徴は、その拡散力で、それが社会を動かしうることだ。

SNS上で、ある意見が多くの人の賛同を得た場合に、それは拡散され、その意見の力を強める。

たとえば、中道改革連合に対する批判は、ものすごい勢いで拡散され、それが支持率にも反映されている。
おそらく、選挙結果にもそのまま反映されるだろう。

この原因は、意見が同意され、拡散される過程で、感情的なエネルギーが乗っかることにあるだろう。
実際、SNSには、「いいね」機能や、コメント、view数など、感情が可視化される装置が内在している。
これらによって、拡散される過程で、感情的なエネルギーが乗り、社会的なムーブメントになるのである。

SNSの問題点

SNSは感情的なムーブメントを作るがゆえに、それが問題を引き起こすこともある。

代表的な問題は、批判を超えた個人的な攻撃だろう。

しかし、現状、日本では、そこまで過激なものではないような気がする。
たとえば、襲撃予告とか、実際に危害を加えることを示唆する投稿は、だいぶ抑制的であるように思える。

また、感情的であると起きやすい問題は、対立する陣営同士が、それぞれの陣営に閉じこもって議論不能になることだろう。

実際、これはアメリカでは、深刻な問題となっている。
アメリカでは、政治思想ごとに、利用するSNSプラットフォームが分かれる傾向がある。[1] また、政治的思想がアイデンティティと直結しているため、思想の異なる相手とのプライベートでの関係に問題が生じやすい。[2]

こうなってしまうと、感情が先行し、議論にならなくなり、分断が生まれてしまう。

だが、これも日本ではさほど問題となっていないように思える。

日本のSNS上の政治的言論

現状の日本におけるSNS上の政治的な言論は、どうなっているのか。

それは、従来の政治に対する怒りのこもった批判であり、それを打ち壊そうとする勢力への応援である。

多くの人にとって、あらゆる面において、従来の政治は問題点だらけであった。ゆえに、SNS上の政治的な言論は一体感がある。だから、対立とか分断とか以前に、団結している印象である。

感情をかき立てる=モチベーションを上げる

確かに、SNSの言論は、感情をかき立てる装置として機能はしており、それを危惧する意見も正しくはある。

だが、感情的になって主張しているその主張内容はまともなのである。
そして、その主張の受け手も割とまともである。
総じて、日本のネット言論空間は、結構まともなのである。[3]

であれば、感情をかき立てることも、モチベーターとしてはいいのではないかと考えられる。
特に、政治でいえば、今まで投票率が低かったのだから、感情的に投票へのモチベーションが上がることは良いことだろう。

注釈

[1] https://www.pewresearch.org/wp-content/uploads/sites/20/2025/11/PI_2025.11.20_Social-Media-Use_REPORT.pdf

一番下のrep=共和党、dem=民主党

[2] https://www.apa.org/pubs/reports/stress-in-america/2024/2024-stress-in-america-full-report.pdf
政治的思想が家族関係に支障をきたしたり、政治的思想が異なる相手とは付き合いたくない人が一定割合存在することが論じられている。

[3] この根拠については、印象である。今後、例証していく。