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2022年7月

  • 2022年7月29日
  • 2024年5月8日

【古代ギリシア哲学6−2】多元論者と原子論〜アナクサゴラス〜

アナクサゴラスについて アナクサゴラスは、BC500年ごろイオニア地方で生まれ、BC456年ごろアテナイへ移住し、アテナイの有名な政治家で将軍のペリクレスと親交をもったという。プラトンの著作の対話篇にも、ソクラテスがアナクサゴラスの著作を読んだという記述があり(パイドン97c)、アテナイにおいてアナクサゴラスの思想は広く流布していた。もっとも、ソクラテスはその本を読んで失望するのだが。(この話はま […]

  • 2022年7月27日
  • 2024年5月8日

【古代ギリシア哲学6−1】多元論者と原子論〜エンペドクレス〜

思想的背景、振り返り 前回扱ったパルメニデスらエレア派が、古代ギリシア哲学に与えた影響は大きかった。それまでの哲学者は、現象を支配する根源的な原理を探求した。イオニア学派はそれを、自然の物質とし、ピタゴラスはそれを数とし、ヘラクレイトスはそれを争いとし、火を象徴とした。彼らは皆、現象世界の真のあり方、その原理、根源は何なのかという問いから出発した。それは、今、目の前にある多様な世界について、その隠 […]

  • 2022年7月19日
  • 2022年7月22日

【古代ギリシア哲学5】エレア派、パルメニデス、ゼノン〜あらぬものはありえぬ〜

今回は、ヘラクレイトスと好対照をなすパルメニデスを祖とするエレア派についてみていく。 パルメニデスはヘラクレイトスと同じように、今までの哲学者たちと異なる思想の枠組みをもつ。今までの哲学者は、万物の原理を求めた。原理はギリシア語でアルケーであり、なにかの始原、始まりの原因を意味する。つまり、今までの哲学者は、今目の前に見えている世界の根底に、目に見える世界(現象)とは異なり、その現象の原因となって […]