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フィクション分析

  • 2025年10月5日

『チェンソーマン』デンジの「夢バトル」について考える

「みんな俺のやること見下しやがってよ。復讐だの、家族守りたいだの、猫救うだの、(略)、みんなえらい夢もってていいなあ。」 「じゃあ夢バトルしようぜ、(略)俺がテメーをぶっ殺したらよー、テメーの夢、胸揉むこと以下だ」 『チェンソーマン』 ep.4 『チェンソーマン』の思想的なテーマは、このデンジのセリフに詰まっている。 デンジは、「えらい夢」をもっていない。デンジの夢は、「胸揉むこと」や「パンにバタ […]

  • 2025年10月4日
  • 2025年10月4日

胡蝶しのぶの死亡から考える—なぜ工夫するキャラは生き残れないか—

『劇場版「鬼滅の刃」 無限城編 第一章猗窩座再来』にて、蟲柱である胡蝶しのぶが、上弦の二の鬼、童磨に殺された。 しかも、かなりあっさりと殺されてしまったように思える。胡蝶と童磨の実力差はかなりあったように思え、胡蝶は、童磨相手に、最後に一矢報いるも、ほとんどノーチャンスだったといっていいだろう。 いくら上弦の二が強力だからといって、胡蝶がこのように殺されてしまうのは、かわいそうに思える。また、他の […]

  • 2025年9月29日
  • 2025年10月9日

【考察】『変な絵』各事件と、その伏線、面白い点についての解説【書評】

前編の記事に続いて、『変な絵』の主要な事件の概要と、伏線、面白い点について解説する。 この記事を読むと、『変な絵』に登場する事件について、その内容をざっくりまとめて知ることができ、その事件がどのような構造なのか、どういう伏線があるのか、何が興味深い点なのかについてわかるようになっている。 では、解説を始める。   変な絵 posted with ヨメレバ 変な絵 Amazon Kindl […]

  • 2025年9月29日
  • 2025年10月9日

【考察】『変な絵』の登場人物・時系列について【書評】

ネタバレ注意!!   この記事では、雨穴著『変な絵』について、登場人物、時系列について、ざっくりとわかりやすくまとめている。 また、後編記事では、主要な事件についてや、伏線、面白いポイントについても解説しているので、あわせて読むことで、『変な絵』をより理解できるようになると思う。 変な絵 posted with ヨメレバ 変な絵 Amazon Kindle 楽天ブックス   『 […]

  • 2025年9月21日
  • 2025年9月21日

スポーツにおける挑発行為の是非と、相手へのリスペクトついて考える

スポーツにおいて、議論の絶えない問題がある。それは、挑発行為の是非である。 さまざまなスポーツで、リスペクトを重んじ、挑発行為などの非紳士的な行為を取り締まろうという動きがある。実際、そうした行為をした選手は、審判からのペナルティを受けたり、観客から非難を受けたりすることがある。 一方で、そういった取り締まりが厳しくなりすぎると、試合の盛り上がりに欠け、試合をつまらなくするという意見も根強い。 こ […]

  • 2025年9月18日
  • 2025年10月9日

『変な絵』考察 なぜ焼きそばをラストシーンで食べるのか【書評】

ネタバレ注意!!   雨穴著『変な絵』は、今野優太が、米沢美羽とその父親と一緒にバーベーキューをし、美羽の父が焼きそばを作るというシーンで終わる。 このシーンは一見、事件が終わった後の平和な一幕を描いているようにみえるが、いくつかの謎がある。 なぜ、作中であまり登場していない美羽と美羽の父と一緒に、優太がバーベキューをしているシーンが最後に出てくるのか?そして、なぜ焼きそばを作るのか? […]

  • 2025年9月5日
  • 2025年9月5日

『20歳の自分に伝えたい 知的生活のすゝめ』のまとめ、批評 —知性・教養の価値とは—

齋藤孝著『20歳の自分に伝えたい 知的生活のすゝめ』は、知性や教養が軽視されがちな現代において、いわゆるインテリ層に限らず、幅広い人々に、知性的に生きること、教養をもつことをすすめている。 この記事では、本書について、以下のような観点から内容をまとめ、批評を行う。 ・知的な生活とは何か? ・知的な生活の何がいいのか? ・なぜ反知性的な考えが良くないのか? ・そもそも知的になれるのか?   […]

  • 2025年8月22日
  • 2025年8月23日

夏目漱石の個人主義について—『私の個人主義』を読む—

『私の個人主義』はどんな本か? 概要 『私の個人主義』は、夏目漱石が行った講演をまとめたものであるため、短く、口語調で読みやすい。 また、漱石の小噺や軽妙な語りが面白い。 反面、本題に入るまで長かったり、脱線があるため、評論として読むとじれったいかもしれない。 論の内容はシンプルでわかりやすく、腑に落ちる。現代的テーマでもある。 おすすめする人 ・漱石が好きで、漱石の語りを読みたい人 ・漱石の苦悩 […]

  • 2025年7月13日
  • 2025年8月25日

『#真相をお話しします 惨者面談』がなぜ面白いのか、設定と構成を考察する【書評】

結城真一郎著『#真相をお話しします』という短編集に収録されている『惨者面談』を読んだ。 巧妙に仕掛けられた伏線や設定・構成が面白く、非常におすすめな物語である。 この記事では、この物語の設定・伏線・構成を分析する。   以下、ネタバレ注意。               KindleUnlimited対象作品 #真相をお […]

  • 2025年5月17日
  • 2025年5月21日

『思考の整理学』書評—アイデアの作り方について—

『思考の整理学』の第二章について論じていく。この箇所では、アイデアの作りかたが論じられており、興味深い点が多い。 ただ、本書はエッセイのような形式になっているため、まずは内容を構造的に整理してまとめたいと思う。そして、その内容をもとに、発展的に考察をしていこうと思う。 本記事ではまず『思考の整理学』第二章を構造化し、まとめていく。   思考の整理学 posted with ヨメレバ 思考 […]