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哲学

  • 2025年4月27日

芸術における評価の哲学—他者の評価の影響と主体的評価する方法—

前回の記事では、何かを評価することについて分析し、他者の評価に流される理由を論じた。そこでは、自分自身で評価する直接的な評価と、別の誰かの評価によって評価する間接的な評価を分け、直接的な評価の重要性を論じた。 そう論じたものの、世の中には間接的な評価が多く存在し、それが重要な場合もある。その典型例が、芸術作品の鑑賞である。 この記事では、芸術作品の鑑賞を例にとって、間接的な評価を参考にしつつも、自 […]

  • 2025年4月21日
  • 2025年4月25日

『りんごかもしれない』を哲学的に考えてみる【書評】

ヨシタケシンスケ著の絵本『りんごかもしれない』を読んだ。 この絵本は、絵が可愛く、発想が面白いため、子供から大人まで楽しめる。また、読み返すたびに発見があるのだ。 そんな『りんごかもしれない』を、ここでは哲学的に読んでみようと思う。   りんごかもしれない posted with ヨメレバ ヨシタケシンスケ著 Amazon 楽天ブックス   『りんごかもしれない』の内容 この絵 […]

  • 2025年3月30日

感情が過激になる現代に自己をどう保つか

現代は感情が過激になっていると思われる。その理由は、主にSNSの普及によって、不特定多数に通じやすく、より感情を掻き立て、注目を集める言説が流布しやすく、それが感情的に過激なものだからだろう。(前回の記事で詳しく論じた) この記事ではまず、現代において感情が過激化している事例を取り上げ、分析する。その上で、そのような過激な感情から自己を保ちつつも、どのように社会と関係していくべきかを考える。 &n […]

  • 2025年3月26日
  • 2025年4月11日

ミシェル・フーコーの基本情報・思想背景

この記事では、ミシェル・フーコー(1926-1984)についての基本的な情報、著作、経歴、人物像、活動、思想の概要について触れる。   フーコーとは ミシェル・フーコーは、フランスの哲学者である。だが、フーコーは哲学者であると同時に、研究分野は多岐に渡り、心理学者、歴史学者、社会学者、文学批評家でもあるといえる。 フーコーは思想史の流れで言えば、ポスト構造主義の代表的な思想家とされる。 […]

  • 2024年11月15日
  • 2024年11月15日

内田樹著『勇気論』第2章の批評と考察

今回は、内田樹著『勇気論』の第二章について考察する。 第一章はこちら↓ 内田樹著『勇気論』第1章への同意と反論   第二章の要約   この章も第一章と同じく、往復書簡(手紙のやり取り)の形式をとっている。 以下、その内容を要約する。   編集者の質問   編集者の疑問として、「勇気はどこから湧いてくるのか」というものがある。そして、その疑問に関連した自身の経 […]

  • 2024年6月17日
  • 2024年11月15日

内田樹著『勇気論』第1章への同意と反論

    内田樹著『勇気論』を読んだ。この本は、勇気についてを中心としつつも、各章は独立している。そのため、まずは第1章の内容についてまとめ、賛同と反論を論じる。     勇気論 内田樹著 posted with ヨメレバ 勇気論 Amazon Kindle 楽天ブックス     本書について   本書は、著者の内田と編集者の古谷 […]

  • 2024年3月21日
  • 2025年3月13日

中期プラトンの思想 魂不滅の証明と魂を善くする方法【古代ギリシア哲学9-4】

今回は、中期プラトンの思想を扱っていく。 この記事では、まず、魂が不滅であることの証明とそれに密接に関係するイデア論を論じ、その後に、魂が善くなるとはどういうことかについて、プラトンが用いた洞窟の比喩を説明することにする。   前回の記事はこちら↓   中期プラトンの著作一覧   ・『饗宴』:エロース(恋)について ・『パイドン』:魂の不死について ・『国家』:正義に […]

  • 2024年2月20日
  • 2025年3月13日

初期プラトンの思想 徳をもとめる意味とは何か【古代ギリシア哲学9-3】

今回から、プラトンの思想を初期、中期、後期の順に流れで扱っていく。流れでみていくことによって、プラトンの関心の一貫性と、その関心をもとに思想がどのように展開されていくかがわかるからである。 ということで、今回の記事では、プラトンの初期の思想を扱うことにする。(0-1)   初期プラトンの著作一覧 初期プラトンの著作は、以下の通りとされる。 ・『エウテュプロン』  :敬虔について ・『ソク […]

  • 2024年2月9日
  • 2025年3月13日

プラトンの対話篇という形式にはどういう意味があるか【古代ギリシア哲学9-2】

プラトンは自身の著作をほとんど全て対話篇という形式で著した。対話篇とは、登場人物の対話によって、作品が進行していく戯曲・演劇形式である。では、プラトンはなぜこのような形式をとったのか。その意味・意義について、三つに分けて考えてみたい。 1つ目は、対話篇に描かれている対話を実際に行うことの意義についてである。その前提として、対話篇に描かれている対話がどのようなものなのかについて概観する。 2つ目は、 […]

  • 2024年1月30日
  • 2025年3月13日

【古代ギリシア哲学 9-1】プラトンの基本情報

プラトンは、哲学史上、おそらく最も重要な哲学者であり、「西洋哲学はプラトンの注釈である」(1-1)とまでいわれる。その著作は25巻を超え(1-2)、分野も多岐にわたる。そして、そのそれぞれが後の哲学の原型となっており、まさしく西洋哲学の基盤といえるだろう。 この記事では、そんなプラトンの思想を論じる前提としての基本的な情報を扱う。具体的には、プラトンの生い立ちや人物像、人生の概観についてである。 […]